トラックバックの問題点
「言及なしトラックバック」はなぜ問題になるのかという記事を見付けた。
トラックバックの問題について考えてる人は他にも色々いるし、関連する 記事を何度も読んだが、どうも事の本質を捉えてないように感じる。
トラックバックスパムや挨拶トラックバックが問題になってる一番の理由は、 外部の人間が他人のコンテンツ(のリンク)を勝手に追加できる、という点じゃ ないのか。
逆に言うと、ブログ所有者が受け入れるトラックバックのポリシーをブログの 所有者自身が決めることができない。これ。同じような問題が電子メールにもある。
かつて SMTP が RFC になった時、セキュリティに関する考察は皆無だった。 RFC 821 に security や authorization、authentication なんて単語は皆無。 メール転送のメカニズムに認証や相互正当性の証明を組み込まなかったために、 20 年以上経った今でも、スパムメールに頭を悩ませてる。
トラックバックスパムをスパムフィルタで防いで「問題ない」なんて 言っているのは、ベイジアンフィルタがあるから SMTP には「問題ない」と 言っているのと同じなわけで、アホ丸出しなこと極まりない。 言及なしトラックバックをハネるのも一緒。そうじゃねーだろと。
なので、メールなんかだと後付けで SenderID とか色々やってるわけだ。
でもセキュリティは後付けのシステムでは駄目で(古いシステムを捨てることになってしまう)、 メカニズムのレベルで保証しなくてはいけない。強固で、かつ拡張性が高ければなお良し。
今、新たに勧告される RFC のほとんどに Security Consideration の章がある。 インターネットの世界では、セキュリティをメカニズム(多くの場合は プロトコル)で保証する必要があるということを、皆が経験的に分かっているから。
根本的な解決策を見付けない限り、トラックバックもスパムも、無くなることはないだろうな…。